東日本大震災の発生した年の1月に顧客ゼロからマンションの一室で税理士事務所を開設しました。
ニュースを見てますと、東日本大震災が7年前とのことですので、開業して7年が経過した事になります。
2月に旧知の経営者様から連絡を頂き、初めての顧問契約を獲得しました。
東日本大震災発生時には、顧客が1件しかなく、fax DM を一斉送信する予定でしたが、あまりの出来事に中止した思い出があります。数日間は震災関連のテレビに釘付けでした。
初年度は月々の収入は5万円程度、スポット収入も含め年間で100万ちょっとの収入でした。月1万円の顧問契約を獲得し喜び勇んだものの、その数ヶ月後には契約解消となり落ち込んだこともありました。
正直なところ、税理士としての能力にもさして自信はありませんでしたし、十分なサービスを提供できていたとも思っていません。
しばらくの間は、開業している税理士事務所の中では自分が一番未熟だと思っていました。
どうやったら他の税理士事務所みたいに稼げるようになるのか?顧客のニーズは置いて置き、自分の方が優れている点を無理やり見つけてアピールしている様な状態でした。
とは言え、不思議といえば不思議ですが、お客様の増加減少を繰り返しながらも、毎年顧問先数は増えていきました。
今でも開業から5年10年で従業員をいっぱい抱えている税理士事務所と比較して、何が劣ってるのだろうかと考えることもありますが、 開業後7年を経過しての感触としましては、全顧客ではないにしろ、大体の顧客に対して、自他共にまずまず満足できるサービスを提供できているのではないかという気がしています。
法人にまつわる税金のお世話をすることをメインとして、
・お客様との会話を記憶にとどめ、お客様の事情・状況・ニーズを理解に務め
・細かいことはどうでも良いと思われるお客様に対しては細かいことは省略し、
・細かいことにこだわられるお客様に対しては細かい事にこだわり、
・資料整理が苦手なお客様に対しては資料を整理してあげ、 ・社会保険に悩んでいるお客様に対しては、手続きや支払金額削減の助言をし、
・会社の承継や相続、合併、海外取引の発生など通常とは異なる状況にあるお客様に対しては、税法を超えた周辺知識も含めた情報収集を行い、会計処理、税務処理(場合によっては経営判断)にあたって、考えられる選択肢を提示し、それぞれどの様なリスクがあるのか説明したり
・お客様によって専門用語を使ったり使わなかったり(専門用語を使わない分かり易い説明が必ずしも良いわけではありません。専門用語が理解できる方には専門用語を用いた方が、短時間で深い話ができます。)
という具合に、自分本位のサービスではなく、顧客ごとに異なるニーズを理解して、顧客に貢献するという姿勢が確立されつつあるような気がします。
言葉にするとその程度かと思われるかもしれませんが、これができていない事例は巷に溢れていて、特に事務所規模が大きくなると実現が難しいというのが現状だと思います。
開業時仕事がなく時間を持て余していたことと、せめて知識だけでも他税理士と同レベルに、はたまた負けないくらいにという思いから、税務などの知識習得のために多くの時間を費やしてきました。今現在もこれが習慣となって継続できており、お客様の増加減少を繰り返しながらも純増して行ったように、私(当事務所)の能力サービスも毎年純増して行っている実感はあります。
「停滞は 終わりの始まり」という言葉があるのかどうか知りませんが、この言葉を旨として今後も顧客ニーズを見極める事に注力し、知識習得のための時間を確保し、年々提供するサービスが向上していくよう努めていきたいと考えています。
2018.3.20