2012年4月1日~2018年3月19日まで掲載分

金子広一郎_税理士
24歳の時、大学卒業を控え、企業経営を外部から支援するような(かっこよく言えば企業参謀的な)仕事をしたいと考え、銀行を対象として就職活動を行いました。運よく銀行から内定をいただきましたが、其の時の自分なりに考え、銀行よりも企業側に立った関与ができるのではと考え、銀行の内定を辞退し、当時その存在を知る人もほとんどいなかった(特に九州では)、ベンチャーキャピタル(以下VC)の世界に飛び込みました。

VCの世界は、あまり期待していなかった割には面白い仕事でした。予想通り銀行より企業に深入りできるなとの感触も得ました。自分なりに勉強し、努力し、それなりの成果を挙げ、それなりに満足し、それなりの不満を抱きました。言い訳になりますが、やはり、金融業界特有の組織的な仕事の仕方、効率重視から企業への関与度合いは、満足のいくものではありませんでした(関与度合いが高いから、VCの収益に結びつくという理想的な図式が当てはまる程の実力を、私を含め各人が持っていなかったことから、当然かもしれません)。

その後、税理士の世界に身を転じた訳ですが、企業への関与度合いは、まずまず満足いくものでしたが、VC在籍時には、その力の大きさに気づきませんでしたが、資金力とネットワークの不足から、知恵を絞らないと大したサポートにならないということを感じました。

下手をすると、数字合わせ、処理に大半の時間をとられ、それだけで満足してしまう(それでも、そこそこの報酬を得ることができる)という現状に甘んじることなく、24歳の頃抱いた志、企業の発展に貢献できる存在、お客様が事業経営を振り返った時にその存在を認めていただけるような存在になるべく、継続的に努力を続けてゆかねばならないと考えております。

2012.04.01
金子 広一郎