就労支援を行う事業者は、就労支援会計が義務付けられています。
理由は、就労支援の生産活動に係る事業の収入から、生産活動に係る事業に必要な経費を控除した残りの金額は、全て障害者に対して工賃として支払わなければならないとされているためで、そのために厳密な費用・収益把握する必要があるからです。
就労支援会計の詳細は割愛させて頂きますが、要点を列挙すると
①就労支援事業と福祉(運営)事業を区分経理する必要がある
②就労支援事業についても製造費と販売費を、作業別に区分する必要がある
と相当煩雑な経理・会計処理が要求されます。
ただし就労支援事業収益が5,000万円以下で、多種少額の生産活動を行う等の理由により、製造業務と販売業務にかかる費用を区分する事が困難な場合、また作業種別毎に区分する事が困難な場合は、②については省略することができる事とされています。(ただし①は必須です)
NPO法人で就労支援を行う場合の会計・経理処理や課税関係の注意点を教えてください。
当社は NPO法人で、障害福祉サービスである就労支援を行っています。会計・経理処理や課税関係について注意すべき事があれば教えてください
以下の内容をご参照ください。
就労支援会計について
納税申告義務の有無
①まず、NPO法人につきましては収益事業を行っていれば、法人税の納税申告の義務があり、収益事業を行っていなければ、法人税の納税申告の義務はありません。
収益事業の定義は、法人税法施行令第5条1項に限定列挙で34業種定められており、これに該当するのであれば、法人税の納税申告の義務があり、該当しなければ義務がないという事になります。
②上記法人税法施行令第5条1項の次の2項で、半数以上の障害者その他の者を雇用しており収益の相当部分を給与等として支給している事業は、収益事業から除くとされています。
①について、就労支援は障害者総合支援法に基づく事業であるため、収益事業に該当するとされています。
→国税庁質疑応答事例
収益事業に該当しないという見解もあります。
→NPO会計税務専門家ネットワーク
また、②について会社全体で判定するのか、就労支援事業と福祉運営事業に区分して事業ごとに判定するのかについても見解が分かれています(上記NPO会計税務専門家ネットワークの見解と裁決事例、又は下記照会回答事例参照)。
→名古屋国税局事前照会回答事例_1
→名古屋国税局事前照会回答事例_2
専門家らしからぬ意見になるかもしれませんが、実務的には国税と争うよりも、どちらに転んでも事業運営に致命的な影響を受けない様にする事が肝要かと思います。
そうすると申告義務ありとして納税申告をしておく方が無難だと考えます。
(後々申告義務なしという結論になれば、その時点から過去7年間は是正措置は取れます)
収益事業の定義は、法人税法施行令第5条1項に限定列挙で34業種定められており、これに該当するのであれば、法人税の納税申告の義務があり、該当しなければ義務がないという事になります。
②上記法人税法施行令第5条1項の次の2項で、半数以上の障害者その他の者を雇用しており収益の相当部分を給与等として支給している事業は、収益事業から除くとされています。
①について、就労支援は障害者総合支援法に基づく事業であるため、収益事業に該当するとされています。
→国税庁質疑応答事例
収益事業に該当しないという見解もあります。
→NPO会計税務専門家ネットワーク
また、②について会社全体で判定するのか、就労支援事業と福祉運営事業に区分して事業ごとに判定するのかについても見解が分かれています(上記NPO会計税務専門家ネットワークの見解と裁決事例、又は下記照会回答事例参照)。
→名古屋国税局事前照会回答事例_1
→名古屋国税局事前照会回答事例_2
専門家らしからぬ意見になるかもしれませんが、実務的には国税と争うよりも、どちらに転んでも事業運営に致命的な影響を受けない様にする事が肝要かと思います。
そうすると申告義務ありとして納税申告をしておく方が無難だと考えます。
(後々申告義務なしという結論になれば、その時点から過去7年間は是正措置は取れます)
このコーナーは、実際に受けた質問を一般的にアレンジしたものの他、想定問答を掲載しています。あくまで参考情報ですので、自己責任での運用、又は当事務所へご相談(電話・メール等不可)の上での運用をお願いいたします。