①代表者へ贈与した場合
法人の課税関係
一旦時価で売却したものと考え、時価と簿価との差額を売却損益として計上します。
↓
その売却代金(時価)相当額を代表者へ賞与を支給したものとして扱います。(役員への賞与は原則損金に算入されません。)
↓
さらに賞与の源泉徴収が必要になります。
代表者の課税関係
賞与として給与所得の一部になり、所得税・住民税の負担が増えます。
②代表者へ低額譲渡した場合
法人の課税関係
一旦時価で売却したものと考え、時価と簿価との差額を売却損益として計上します。
↓
時価と実際に受け取る対価との差額を代表者へ賞与を支給したものとして扱います。(役員への賞与は原則損金に算入されません。)
↓
さらに賞与の源泉徴収が必要になります。
代表者の課税関係
時価と対価との差額が、賞与として給与所得の一部になり、所得税・住民税の負担が増えます。
③代表者へ高額譲渡した場合
法人の課税関係
・一旦時価で売却したものと考え、時価と簿価との差額を売却損益として計上します。
・時価よりも高額での譲渡なので、代表者への賞与を支給したものとされる金額は発生しません。
・逆に時価より高額で代表者が買い取っているので、時価と売却代金との差額は、代表者から法人への贈与とされ、法人は受贈益を計上しなければなりません。
代表者の課税関係
時価で取得した事になり、時価と対価との差額は、切捨てになります。
④代表者へ時価で譲渡した場合
法人の課税関係
時価(=売却代金)と簿価との差額を売却損益として計上します。
時価での譲渡なので、代表者への賞与を支給したものとされる金額は発生しません。
代表者の課税関係
時価(=売却代金)で取得したことになります。
代表者へ会社資産を譲渡をする場合の留意点を教えてください。
法人の車両と土地・建物を代表者へ譲渡したいと考えています。留意点を教えてください。
時価で売却するというのが一般的です。法人の車両や土地・建物を譲渡する場合の留意点をご説明します。
1.まず課税関係についての概略です。
2.時価とは?
①車両の時価
帳簿価額で大きな問題はないと思われますが、念のため中古車買取の見積りをとり、大きな差がないか確認しておけば、ほぼ万全です。
②建物の時価
帳簿価額、固定資産税評価額を参考に決定します。
万全を期すのであれば、類似物件売買事例や不動産鑑定を要しますが、特殊事情がない限り大きな問題はないかと思われます。
③土地の時価
近隣の売買事例、公示価格、固定資産税評価額÷0.7、路線価評価額÷0.8などを参考に決定します。万全を期するのであれば、不動産鑑定を要します。
①、②に比べて、最も注意を要します。
帳簿価額で大きな問題はないと思われますが、念のため中古車買取の見積りをとり、大きな差がないか確認しておけば、ほぼ万全です。
②建物の時価
帳簿価額、固定資産税評価額を参考に決定します。
万全を期すのであれば、類似物件売買事例や不動産鑑定を要しますが、特殊事情がない限り大きな問題はないかと思われます。
③土地の時価
近隣の売買事例、公示価格、固定資産税評価額÷0.7、路線価評価額÷0.8などを参考に決定します。万全を期するのであれば、不動産鑑定を要します。
①、②に比べて、最も注意を要します。
このコーナーは、実際に受けた質問を一般的にアレンジしたものの他、想定問答を掲載しています。
作成時の税制などに基づいており、その後の税制改正などにより、取扱いが変わる場合がありますので、あくまで参考情報として、自己責任での運用、又は当事務所とご相談(有料)の上での運用をお願いいたします。
作成時の税制などに基づいており、その後の税制改正などにより、取扱いが変わる場合がありますので、あくまで参考情報として、自己責任での運用、又は当事務所とご相談(有料)の上での運用をお願いいたします。