会社で社宅として取扱うと税制上有利になると聞いたのですが、詳しく教えてください。

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先に概要を簡単に説明しますと、賃借料又は減価償却費が会社経費となり、役員又は従業員から徴収する賃料が相場より低額でも給与課税されないというものです(一定の要件を満たせば)。

社宅とする物件について

まず社宅にする物件を会社が借りるか、購入する等で既に所有している必要があり、この分が会社経費となります(賃借料や減価償却費)。

役員又は従業員に貸す賃貸料

次に役員又は従業員に貸す場合の賃貸料が税務上(通達で)決められています。
詳細は後で補足することとし、簡単に概要を把握できるように、会社が物件を借りた場合に限定し大雑把に説明すると、会社が借りた金額の半分程度で役員又は従業員に貸すことができます。

社宅制度を導入しない場合と導入した場合を比べると

役員又は従業員から見れば賃貸料の相場の半分程度が会社から利益供与されるにもかかわらず給与課税から除外される(源泉税免除)事になります。
会社側から見れば賃貸料の半分程度の節税効果があるとも考えられますが、賃借料の半分程度損をしているとも言えます。
それぞれの立場を超えて腑眼した見方をすれば、会社の利益が役員又は個人に移転され、かつ役員又は個人は税負担が免除されていることから、節税と言えるでしょう。
また、オーナー社長に限定して考えれば、 社用車の取扱いとも同様ですが、会社財産も個人財産も 全てオーナー社長のものですから、明らかに有利な節税となります。

補足解説

詳細は所得税法基本通達36-40以降に記載されています。
賃貸料設定にあたり、いくつかの項目に分けて考える必要があります。
・会社が借り上げた物件を貸すのか、会社が所有している物件を貸すのか
・役員貸すのか、従業員に貸すのか
・小規模社宅(⽊造家屋:132㎡ 以下、⽊造以外の家屋:99㎡以下)に該当するか否か

月額家賃の計算方法

①会社所有物件を役員に貸す場合で小規模社宅に該当しない場合
{その年度の家屋の固定資産税の課税標準額 ×12%( ⽊造家屋以外の家屋については 10%) +その年度の敷地の固定資産税の課税標準額 ×6%}÷12

②会社が借上物件役員に貸す場合で小規模社宅に該当しない場合
借上料の50%とその物件を①で計算した金額のいずれか高い金額

③会社所有物件従業員に貸す場合で小規模社宅に該当しない場合
(その年度の家屋の固定資産税の課税標準額 ×0.2%+12円×床⾯積の坪数+その年度の敷地の固定資産税の課税標準額 ×0.22%)÷12

④会社が借上物件従業員又は役員に貸す場合で小規模社宅に該当する場合
借上料の50%とその物件を③で計算した金額のいずれか高い金額

留意点

個人で賃借している物件を会社が借りたことにして、再度個人へ社宅として貸す扱いをされているケースがありましたが、これは認められません。法人で賃借契約が必須になります。


このコーナーは、実際に受けた質問を一般的にアレンジしたものの他、想定問答を掲載しています。
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